高千穂の乾椎茸の美味しさの秘密を訪ねて

9月末、弾丸ツアーでしたが、高千穂の乾椎茸の生産現場をご案内いただきました。

まずは椎茸作り名人、吉村さんの榾場(ホダバ)を訪れました。
案内してくれたのは、とびきり美味しい乾椎茸を扱う杉本商店の杉本達則社長。

気温10度の日が1週間続くと芽がでるそうで、この日はまだ残念ながら椎茸の姿は見えませんでした。
気温10度の日が1週間続くと芽がでるそうで、この日はまだ残念ながら椎茸の姿は見えませんでした。

九州の椎茸作りには、90%以上、クヌギの木が使われているのだそうです。

クヌギは切ってもその切り株から芽がでるので植林の必要がない、持続可能なホダギ原料なのだとか。ホダギの種類もいろいろあるということも今まで知らずにいました。

 

ここでは、雨と霧の水分だけでの露地栽培をしています。標高も高く急傾斜だからこそ可能なのです。そんな高千穂の椎茸は少ない水分で育つために小ぶりですが、その分、身がしまっていて味が濃くなります。

 

風が強いところは寒冷紗でさえぎって乾燥しすぎを防ぎ、杉の枝ぶりを調整することで太陽光を調節し、温度を管理します。

 

農業は自然との対話ということを改めて感じます。

奥に見える黒いものが寒冷紗
奥に見える黒いものが寒冷紗

天日乾燥では乾椎茸の旨味は出てこない

高品質な乾椎茸作りを考えるとき、椎茸は収穫すると半日でダメになってしまうほどに足が速いのだそうです。なので、すぐに「高温」乾燥するかチルドにして保存するしかありません。

「天日じゃないんですか?」

ここは消費者が誤解しがちなのですが、もしも天日で乾燥させようとすれば現実的にはスライスにするしかないのだそうです。乾椎茸は、60度以上の熱が加わって初めてその旨味成分であるグアニル酸が増えます。もともと天日ではなく炭火で乾燥させていたと言います。

 

杉本商店さんでは、240度のセラミックパネルを通します。内部温度を80度ほどまで上げると、旨味を増すだけでなく、虫の卵も殺すことができるため、密封した袋の中で虫がかえるなどというアクシデントもなくなります。

工場の品質管理の徹底ぶりには驚きました。ここでは書けませんが。

こうやってあの美味しい乾椎茸ができているのだと、改めて感じ入りました。

椎茸は農家からキャッシュで全量買取り!

お話を聞いていてすごいなと思ったのは、原料となる椎茸を農家から全量キャッシュで買い取っていること。

 

もちろん、買い取れるか買い取れないかの基準(当然ながら腐っているなどは無理)、ここまではしておいてほしいという明確なお願いを出した上で、小さいものも大きいものも、形が悪いものも、基準を満たしたものは全てを買い取ります。

 

これは農家にとってはありがたいことだと思いますが、杉本商店さんとしては、消費者が欲しがるものとの兼ね合いで場合によってはよそから仕入れるとか、商品にできそうにないものを加工しその売り先を探すとかが必要になります。キャッシュフローをきっちり回すことも当然必要です。

 

おつき合いのある農家が700軒というのですから、その大変さは想像ができないほど。

小さな椎茸は加工用に
小さな椎茸は加工用に
大きすぎる椎茸もまた加工用に
大きすぎる椎茸もまた加工用に

杉本さんの乾椎茸は、食べてみた多くの人が「これは美味しい!」と驚きます。
その奥には、良い椎茸を作るために手間を惜しまない農家がいて、それを全量買い取ることで支えながら、高品質な(それでいて価格は良心的な)乾椎茸を作る努力があって、、。

現場に行ってこそ感じられることがある。
そんなことを思った4時間滞在でした。

追記
お土産にいただいた、椎茸屋が作ったキーマカレー
添加物一切なし。で、本当に美味しいレトルトカレーでした。

もしかしたら今まで口にしたレトルトの中で一番かも!