35度越えの炎天下、総勢30名で栃木県小山市にある小野口商店さんの農園を訪ねました。
一玉8〜10kgの夕顔の実の大きさにまずびっくり。
そして、小野口さんのご好意で、一人一玉の干瓢剥きを体験させていただきました。

干瓢は夕顔の実を剥いて乾燥させて作ります。
まずは畑を見学。
6月半ばすぎから8月上旬が実の収穫時期です。
夕顔はウリの仲間で、冬瓜とは親戚。
ところが、夏に収穫しても冬まで保つ「冬瓜」に対して、夕顔の実は夕方に収穫して翌朝に剥くために畑においておくと朝には腐っていることもあるほど。だからこそ乾物にしたのですね。

干瓢の国内生産の多くは栃木県に集中しています。
この地域は夕方に雷や夕立が多く、関東ローム層の火山灰の土地。
夕顔は、その水分を吸って大きく育ちます。
火山灰ならではの水はけの良さもまた夕顔生産に向いているのだそうです。
水分たっぷりの夕顔は一玉8〜10kgにもなり、小野口商店さんでは毎日300個の夕顔を7〜8人がかりで収穫し、剥き、干すという作業をしています。これで概ね1日60kg程度の干瓢ができることになります。重労働です。
干瓢はカルシウムと食物繊維、そしてカリウムが豊富に含まれています。


タブレットがこんなことになるほどの炎天下での夕顔生産作業は、お年寄りには厳しく、畑の管理が行き届かなくなり品質が落ちたり、その大変さから生産をやめてしまう人も多いのだそうです。
現在の農家数は400軒くらい。夏以外は別の作物を作っています。
今は、干瓢の生産の9割が中国を初めとする海外に移ってきています。
小野口商店さんも中国に日本の種を持ち込んで中国での生産、加工をしているのだそうです。


一人一玉の干瓢剥き体験をさせていただきました。
足で回転速度を調整しながら歯を当てて剥いていきます。
種が見えるまで剥いてしまうと、干瓢を料理する際にその部分が溶けてしまうのだそうです。
この機械を作る人もいなくなり、壊れてしまえば受注生産で50万円はしてしまうのだとか。
今のところ、干瓢生産をやめてしまった人から譲ってもらいながらやっているとのことでした。


収穫し、剥いたら、なるべく早く乾燥させます。
雨に当たらないようにハウスの中に干し、乾燥を速めるために大きな扇風機が回っています。
干している間にも熟してくるほど劣化が速く、半透明になってしまったその部分は、煮ると溶けてしまい、不良品となってしまうので、スピードが勝負なのです。

国産のものの方が安心できると、国産需要が伸びているのに国内生産が間に合わず、干瓢の価格は上がっているといいます。築地で2kg1万円ほどで取引されており、単位面積あたりで考えるとコメの6〜7倍の儲けになるはずなのに、、、。

「干瓢って何からできているの?」という人も多かった行きのバスとは打って変わって、干瓢への認識を新たにした総勢30名。
この後、干瓢料理のランチに向かいます。
続きは次回に。
もちろんランチ会場にはこれは持ってはいきませんでした(笑)。
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