対馬在住の島おこし恊働隊の佐藤雄二さんから、先日、対馬の伝統乾物「せん」をいただいた。
この「せん」、さつまいもから取り出したでんぷんを粉にしたものなのだという。

海があれれば島のため食べものがなくなってしまう。
対馬の痩せた土地でも育てることができる薩摩藷をどうにか長期保存できないかと工夫されたのが「せん」なのだそうだ。
水洗い、発酵、乾燥、水戻し、濾し、水につけて沈殿させたものを集めてまた乾燥。
できあがるまでに2ヶ月がかかるのだという。
「せん」という名前も「千の手間がかかるから」という説もあるほど、作るのに手がかかる。

伝統的には、水を加えて白玉団子の要領で茹でて食べたり、熱湯で捏ねてから中にあんこを入れて食べたりする他、水をくわえてから「ろくべいせぎ」という独特な道具を通して湯に入れて茹で上げた「ろくべい」という、つなぎいらずの麺料理が食べられてきた。
茹でてみると、白玉団子よりは火のとおりが遅いようだ。
なので、真ん中をへこませて茹でる方がよさそう。
米シロップをかけて食べてみたら、つるんプリンとした食感が、どちらかというとタピオカに似ている。
さつまいもの味は、とくに感じられない。
小さめに成形してタピオカのような食べ方をするといいかも、と感じた。
ろくべいの作り方は、原料は違うものの、オーストリアなどで食べられているシュペッツレと茹で方が似ていて興味深い。次はろくべいを作ってみようかと思う。
知られていない乾物、日本にもまだまだいろいろある。
食べ繋ぐために、昔の人たちがどれだけ工夫し努力してきたのか。頭が下がる。
乾物で世界をもっとPEACEに!
改めて思う。
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長谷勝 (土曜日, 17 12月 2022 14:29)
何年も保存できるのは素晴らしい。工業化してじゃがいもにも応用出来るかな。